
そろそろ使うのをやめにしたい現代語辞典

失言があると、たちまち炎上。政治家なら即、進退問題。いつからこんなに、窮屈な世の中になってしまったのでしょうか。しかも、問われることは枝葉末節、肝心なことほど、誰も何も言わないようです。結果として、美辞麗句が蔓延してはいるものの、どこまで信じていいものやら。この本は、そういう今の日本の「言葉事情」への疑問から誕生しました。心にもないきれい事、わかったかわからないかも、よくわからないようなカタカナ言葉、そんなものにうなずき合って暮らすのは、いい加減やめにしたいものです。やたらと言葉を短縮する物言いも、耳障りに感じます。身の丈に合った自分の言葉で、気兼ねなく思ったままを話したい。そういう願いを切にもつ昭和人間の偽らざる心境から、何気なく話される「現代語」から漏れ出した日本人の危うさをあぶり出します。