
なぜ働くのか

「お金のため」を超えて、働く意味を発明しよう。
なぜ、不満を抱えながら働く人がこんなにも多いのだろう? 問題は「人間は賃金や報酬のために働く」という誤った考え方にある。今こそ、仕事のあり方をデザインしなおし、人間の本質を作り変えるとき。新しいアイデア・テクノロジーが必要だ。そうすれば、会社員、教師、美容師、医師、用務員、どんな職務にあっても幸福・やりがい・希望を見出だせる。仕事について多くの著書を持つ心理学者がアダム・スミス的効率化を乗り越えて提案する、働く意味の革命論。
「本書は、AI時代における僕たち人間のサバイバルそのものを根源的に問う一冊でもある」
------松島倫明〔編集者/NHK出版編集長〕(解説冊子より)
Small books, big ideas. 未来のビジョンを語る。
人気のTEDトークをもとにした「TEDブックス」シリーズ日本版、第5弾。
「なぜ、私たちは働くのでしょうか? なぜ、私たちは刺激に満ちた冒険を次から次へと味わう生活ではなく、朝起きるたびにベッドから這い出す毎日を送っているのでしょうか?
実に馬鹿げた質問だ、働くのは生活のために決まっているーーたしかにそのとおりです。でも、それがすべてでしょうか?
もちろん、そうではありません。なぜその仕事をするのか、仕事にやりがいを感じている人々に尋ねてみると、お金のためという答えはほとんど返ってきません。
賃金以外の働く理由を並べれば、そこには長く、実に興味深いリストが展開されるのです」(本書より)
[著者紹介]
バリー・シュワルツ(Barry Schwartz)
アメリカ・ペンシルベニア州のスワースモア大学教授で、専門は心理学。これまでに著書10冊、雑誌論文は100本以上を数える。
2004年、『なぜ選ぶたびに後悔するのか 「選択の自由」の落とし穴』を出版、『ビジネスウィーク』『フォーブス』両誌で年間ビジネス書ランキングトップ10に入り、25の言語に翻訳される。
以来、同書のメインテーマについて様々な角度から各媒体で記事を執筆(『ニューヨーク・タイムズ』『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』『USAトゥデイ』『サイエンティフィック・アメリカン』
『ハーバード・ビジネス・レビュー』『ガーディアン』など)。
2005年にTEDで講演し、以降多数のラジオ・テレビ番組に出演(「Morning Edition」「Talk of the Nation」「Anderson Cooper 360」など)。
2009年、知恵の喪失についてTEDで講演、次いで『知恵 清掃員ルークは、なぜ同じ部屋を二度も掃除したのか』を同僚のケネス・シャープとの共著で出版した。
[訳者紹介]
田内万里夫(たうち・まりお)
1973年生まれ。テンプル大学教養学部英文学科卒業。1998年より翻訳出版の版権エージェントとして勤務する傍ら、2001年よりマリオ曼陀羅の名義で画家としての活動を始め、国内外のギャラリー等で発表を行なう。
『LOVE POP! キース・ヘリング展 アートはみんなのもの』(伊丹市立美術館、2012年)において、壁画プロジェクト「キースが願った平和の実現を願って」を担当。
『心を揺さぶる曼陀羅ぬりえ』(猿江商會、2015年)ほか、イギリス、台湾で出版(イタリアでも出版予定)。
イントロダクション いちばん大切な問題
第1章 おかしな根拠
第2章 良い仕事とは何か?
第3章 優れた仕事がダメになる理由
第4章 アイデア・テクノロジー
第5章 仕事の未来